日本コールセンター協会の『2021年度 コールセンター企業 実態調査』 報告によれば、会員企業のうち公開した30社の売上高の合計は1兆2,138億62百万円です。売上高は増加傾向にあります。
規模感で言うとゴルフ場やコンタクトレンズの売上規模と同程度です。
また、求人サイトなどを参照するとコールセンターのスタッフを募集する求人がよく目に付き、問い合わせ削減に関する需要は増加していることがわかります。
そこで本記事では問い合わせ削減の課題や重要性、解決方法について解説していきます。
「問い合わせ削減の要因が知りたい」
「問い合わせ削減させる方法って何?」
「問い合わせを削減させるツールを知りたい」
などとお考えの方に必見の記事です!
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目次 1-1. 人手不足 1-2. 対応者のスキルに差がある 1-3. 問い合わせ内容の多様化 2. 問い合わせ対応の重要性 2-1. 社外対応における重要性 2-2. 社内対応における重要性 3. 問い合わせ件数増加の要因 3-1. 社外問い合わせが増加する要因 3-2. 社内問い合わせ対応が増加する原因 4. 問い合わせを削減する方法 4-1. インターフェイスの見直し 5-1. 対応スタッフの負担軽減 5-2. コスト削減・コストカット 5-3. 対応スピードの向上 5-4. 対応品質の向上 6. 問い合わせ削減ツール4選 7. まとめ |
出典:月刊コールセンタージャパン「早期離職を防ぐ「最初の90日」の乗り越え方」
コールセンターの求人募集が多いことからも分かるようにコールセンターは人員不足であると言われています。
理由としては電話でのクレーム対応に代表されるハードな業務内容があげられます。
上記画像は月刊コールセンタージャパン編集部が調査した「入社1年以内のオペレータの離職率」の結果になります。「71%以上」と回答している企業は2013年では0.9%だったのが、2018年では22%に拡大しています。
これだけ離職率が高いということは、採用活動を高めても定着せずに次々と辞めていくために常に人材不足であ流ということがわかります。また、指導する先輩や上司はその対応に時間が取られてしまって人手不足に拍車が掛かってしまう事になります。
さらに、離職者から周りの友人や知人にコールセンターのハードな業務内容が伝わり求人しにくくなるという弊害も発生してしまいます。
人手不足の項で書いたようにコールセンターの入社1年以内のオペレータの離職率が71%以上の企業が22%ということは、問い合わせ対応を行うスキルに担当者間で相当な差があることを示しています。
離職率が高いので人材が不足してしまうため、常に補充のための新規採用を行うこととなり経験年数の少ない担当者が一定数存在することになります。
また、教育についても先輩スタッフが常に新しい人に行うこととなり、先輩スタッフのモチベーションが低下してしまい教育内容のレベルが下がってしまうリスクもあります。
そのような状態のため問い合わせ対応する担当者間のスキルには大きな差が発生してしまいます。
AIやクラウドといったIT技術の進化に伴い、企業が提供する商品やサービスもこれらの成果を取り入れて高度化されています。
商品やサービスの高度化に伴い問い合わせ対応する内容も高度化・専門化していき高いスキルを必要としています。
また、対応するチャネルもIT技術の進化により電話やメールだけではなく、LINEやチャットなど様々なツールを使いこなして対応する必要があります。
問い合わせ対応は非常に重要な業務です。
オンラインショッピングの普及により商品やサービスを購入するまでに1回も販売者とコンタクトすることなく完了してしまうことが多くなりました。
つまり、現代ではお客様が問い合わせを行った段階が販売者とのファーストコンタクトである確率は高くなっています。
このファーストコンタクトを上手く行うことにより企業や商品へのお客様の印象を高め次の購入につなげることができます。
例えば、お客様の問い合わせに対して迅速に回答したり、的確な内容で回答したりすることで顧客満足度を高めることができます。
商品の機能やサービス内容によって競合他社と差別化することが難しい場合でも、問い合わせ対応により差別化を図ることによってロイヤリティを向上させることができます。
問い合わせ対応は顧客満足度の向上やロイヤリティを高めることへ直接作用する強力な武器となるのです。
社内で使われているシステムや端末に関する問い合わせは、ある程度以上の規模であれば千人規模の担当部署が対応しますし小規模であれば兼任で対応します。
傘下にグループ企業を多く抱える組織体であればシステム子会社が専任で担当します。
いずれにしても問い合わせ対応は社内向けであっても重要性は変わりません。
問い合わせに対して迅速にかつ的確に対応しなければ、社内の生産性が落ちてしまうこととなります。
迅速に回答できないことや不適切な回答により、業務が滞留してしまって売上に響いてしまうため、注意が必要です。
社外問い合わせが増えると問い合わせ担当者の業務量が多くなり、回答までの時間が従来よりも多く掛かってしまいお客様に不便をかけてしまいます。
最悪の場合は顧客満足度が低くなり、事業にネガティブな影響を与えてしまいます。
従って、問い合わせ件数が増加する原因を知り対策を施すことが大切になります。
問い合わせ件数が増加する原因の一つとして、問い合わせを行う可能性のある見込客や既存客が増えることが挙げられます。
母数が増えますので、今まで通りの仕組みで問い合わせ対応していれば問い合わせ件数は増えてしまいます。
アクセス数やユーザー数の増加が季節性もしくは一過性のものであるか、継続するものかを見極めて対処する必要があるでしょう。
季節性や一過性のものであるなら人員を臨時で増加するのが解決法の一つとなりますが、継続的に増加するのなら人員増だけではなく問い合わせ件数を減らす打ち手が必要となります。
公開されている商品やサービスについての情報が以下の様な状態だと問い合わせ件数が増えてしまいます。
最近ではFAQページを設けているサイトが多くなっています。
FAQをお客様に参照してもらい自己解決して頂ければ、お互いに手間が省けて強力なツールとなり得ます。
しかし、検索手段がなかったり、探しやすいナビゲーションになっていたりすると解決手段が存在していてもお客様がたどり着くことができなくて問い合わせが発生してしまいます。
また、FAQに登録されている情報量が不足していたり、情報鮮度が古かったりしていても必要な情報が見当たらず問い合わせが発生します。
社内問い合わせにありがちですが、問い合わせ先が属人化してしまっている場合があります。
システムを導入し、その流れで問い合わせ対応していたり、良く知っているという理由で、なんとなく片手間で問い合わせ対応していたりすることがあります。
属人的な対応となりますので、FAQ作成やシステム改修などして問い合わせ件数を下げるということもほとんど行われません。
特に属人的な対応している場合であれば問い合わせ件数を減らすための工夫として、FAQ・マニュアル・システムを利用することはほとんどありません。
また、組織として対応している場合でも兼務で行っている場合も同様にうまく利用できていない場合が多いです。
社員のITリテラシーが低い場合や解決しようとする意識が低い場合などは、マニュアルやFAQを揃えていても活用されずに安易に問い合わせる場合が多いです。
問い合わせ削減の方法は以下の7点です。
・インターフェイスの見直し
・社内マニュアルの作成・充実
・良質なFAQコンテンツの作成
・社内FAQコンテンツの作成
・業務負担が大きい業務を自動化する
・チャットボットの導入
・VOCの活用
操作方法に関する問い合わせが多かったり、操作ミスに起因する不具合の問い合わせが多かったりする場合は社内システムのインターフェースに問題があると考えられます。
次の操作を促す導線がなかったり、入力条件のチェックが甘かったり、何を入力すべきかガイダンスのない表示など、利用する人の視線に立った設計をしていない場合は必然的に問い合わせが増えます。
マニュアルやFAQを整備しても利用者は忙しいので、初めてのシステムでない限り読む人は少ないです。
そのため、インターフェースを改善するのが一番の近道となります。
社内システムのマニュアルを読む人は少ないという話をしましたが、初めて利用するシステムでは事前に読まないとしても手近に用意して、つまずいたら参照しようとする人は多いでしょう。
利用者が読んだ時に分かりやすく充実したマニュアルであれば利用者の理解も進み、今後も活用するようになります。
マニュアルで自己解決されれば問い合わせ件数が削減でき、マニュアル作成にかけた工数を十分に回収可能です。
購入者の中にはヘルプデスクに問い合わせすることに抵抗感を持つ人もいるため、自己解決できる手段を提供することは非常に有効です。
FAQを構築するツールを活用すれば、HTMLなどの知識を用いず活用が可能です。
また、検索についても入力したキーワードがヒットしたFAQだけではなく、関連度の高いページを提示する機能やキーワードから質問を予測する機能などを提供しているツールがありますの、是非検討してみて下さい。
FAQは一回作成したら終わりではなく、継続的に改善していく必要があります。
改善するにはFAQページへのアクセス履歴や検索履歴を分析してユーザーニーズにあったFAQに仕上げていきましょう。
マニュアルだけでは社内システム利用者の解決策を全て網羅することはできません。
当初のシステムが想定していない利用方法や予想もしないつまずきポイントや気づかなかった仕様上の問題などが利用者からの問い合わせで判明することが多いです。
これらの問題に対する解決策についてはマニュアルのアップデートも必要となりますが、FAQとしてまとめて社内向けのページに掲載するのが効果的です。
お客様の依頼に対する業務を自動化することによって、担当者が処理する問い合わせ件数を減らすことができます。
頻繁に寄せられる問い合わせで負荷の高い業務の一つとして返品があります。
ECサイトでは問い合わせの70%が返品についてというデータもあります。
返品は受付時にお客様都合なのか自社都合なのかの切り分けや返金方法、返送方法など状況によって選択肢が多岐にわたります。
間違いなど有ればお客様に迷惑がかかりますし、対応により顧客満足度も左右されます。
返品などの業務を自動化することにより問い合わせ担当者の負荷を軽減し、迅速確実な処理を提供することにより、顧客満足度を高めることが可能です。
自然言語で問い合わせすることができるチャットボットが各社からリリースされています。
AIを活用していて、利用者が自然言語で質問したことに対して回答することができますので気軽に利用してもらうことができます。
もちろん、チャットボットでは対応できない場合には担当者と切り替わることができますので一次切り分けとしても活用することができます。
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チャットボットとは?種類から選ぶポイント・おすすめツールまで徹底解説!
自社の商品やサービスについての評判は、クレームについてコールセンターに寄せられた利用者の声だけではなく、ネット上にある口コミサイトやSNSなどでも確認することができます。
商品やサービスに不満を持っている人のうち、企業に対して直接クレームを言う人はたったの4%です。
(グッドマンの法則より)
つまり、ネット上にある口コミサイトやSNSなどでの自社商品やサービスの意見はコールセンターには現れないお客様の声といえます。
ネット上のコメントを収集して分析することで別な視点からの改善点や重大事故となる予兆を早期にキャッチすることができます。
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VOC分析とは? マーケティングにおける重要性や方法を徹底解説!
問い合わせ件数を削減することができると様々なメリットが生まれます。
問い合わせ件数削減の工数は生まれるメリットから回収することができますし、削減工数以上のメリットを出すことも可能ですので積極的に行うべき施策です。
問い合わせ件数が減ることによる直接的なメリットは問い合わせ部門の負担が軽減されることです。
問い合わせの件数が多いと一つ一つの対応負荷が軽いものであっても問い合わせ毎の事務処理や調査、報告など固定的に発生する工数があるため、積み上げると無視出来ない工数となります。
問い合わせ内容によらず件数が減ることは負担軽減に確実につながります。
負担軽減されると余力が生まれることになります。
余力によりスタッフの一部を別の業務へ配置転換することができ、問い合わせ対応部門のコスト削減を行うことができます。
問い合わせ件数が少なくなることで担当者一人が抱えている件数も低減するため、着手までの時間が短縮され対応スピードが向上することになります。
一人あたりの件数が低減されるため1件辺りにかける工数を増やすことが可能となり、増えた工数で対応品質を高めることができます。
Zendeskはカスタマーサービス業務を統合的にサポートするクラウドサービスです。
顧客とのコミュニケーションはメッセージング、チャット、SNS、メール、電話などをシームレスにサポートしています。AIとボットで顧客とのインテリジェントな対応が可能です。
また、顧客が問題を自己解決できるヘルプセンター(FAQ)の構築支援ツールを提供しています。
ヘルプセンターは顧客がカスタマーポータルを通じてナレッジベース(FAQ)やコミュニティ・フォーラムへアクセスできる機能を提供しています。
ナレッジベースでは何度も同じ回答をしている場合は記事として登録しておきます。登録時にカテゴリー、セクションを指定することができますので記事が構造化されて見つけやすくなります。
お問い合わせの内容に関連したナレッジベース内の記事を検索することができ、担当者の代わりに返信することができます。
返信に対するお客様からのフィードバックを受けて学習し精度を高めることができます。
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株式会社Zendesk |
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Webページにタグを貼り付けるだけで導入することができます。
主要な機能は以下の通りです。
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苦情はお客様からの「贈り物」という言葉があります。お客様からの問い合わせを様々な工夫で減らすことは重要ですが、お客様が苦情を言いやすい環境にすることも重要です。
わざわざ時間を使って苦情を言ってくれるお客様は企業や商品、サービスに期待を持っているからです。
苦情を言ってきたお客様に期待に応えられるよう質の高い対応をするようにして下さい。
そのためにも今回、説明した対応策や問い合わせ削減ツールが役に立ちますので、ぜひ活用してみてください。