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  • Ryosuke Yamazumi

Shopifyの返金処理を徹底解説 ― 全額・一部返金の手順、決済手数料が戻らない理由と対処法

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Shopifyの返金とは、管理画面から注文の支払い金額を購入者に払い戻す処理のことで、全額返金と一部返金の2種類があり、一度実行すると管理画面から取り消すことはできません。返品や交換の受付をどれだけ丁寧に設計しても最後に必ず発生する工程であり、在庫の戻し忘れ、送料の返し過ぎ、決済手数料の見落とし、「返金はまだですか」という問い合わせと、ミスとCS負荷が集中しやすい場所でもあります。

 

本記事では、返金の手順と設定項目、決済手数料が戻らない理由、着金までの日数と保留時の対処を、Shopifyヘルプセンターの一次情報をもとに整理します。

 

「返金」と「キャンセル」は別の操作

Shopifyの「注文のキャンセル」と「返金」は同じものではありません。キャンセルは進行中の注文を停止する操作、返金はそれに伴う金銭の払い戻しです。

 

キャンセル時は返金方法を「元の決済方法への全額返金(デフォルト)」「ストアクレジットでの返金」「後で返金する」の3つから選びます。キャンセルしただけで自動的に返金が完了するわけではありません。また、一部発送済みの注文、ステータスが「決済保留中」の期日指定支払い注文、外部フルフィルメントサービスが処理中の注文はキャンセルできません。

 

すでに発送が始まっている注文は、キャンセルではなく返品として受け付け、返送を確認してから返金する流れになります。受付側の設計はShopifyのECで返品・交換を自動化する方法で解説しています。

 

全額返金・一部返金の手順と、見落としやすい設定項目

返金は管理画面の対象注文から「返金する」を選んで実行します。全額返金は注文内のすべてのアイテムが対象で、一部返金では返金可能な合計金額に達するまで追加の返金を繰り返せます。一部返金を行うと注文ステータスは「一部返金済み」に変わります。

 

実務で見落としやすいのが、返金画面に並ぶ次の設定項目です。

 

設定項目仕様と注意点
在庫の再入庫(restock)デフォルトで選択された状態。在庫追跡が有効なアイテムでのみ利用できる。再販できない状態なら手動で選択を外す
返金先元の決済方法、ストアクレジット、またはその両方。ストアクレジットには有効期限を設定できるが、各国の法令確認が必要
送料の返金個別に金額を指定できるが、返金可能額は超えられない。注文レベルの送料無料ディスカウントが適用された注文では返金できない
関税・輸入税返金対象アイテムの関税・輸入税、通関手数料を選択して返金できる

 

とくに在庫の再入庫がデフォルトでオンな点は要注意です。汚損・破損で再販できない返品まで在庫に戻すと実在庫と帳簿在庫がずれ、売れない商品を販売中のまま抱えることになります。返品理由が「不良品」のときは再入庫を外す、といったルールを決めておくのが安全です。

 

返金は取り消せない ― 実行前に確認すべき4点

Shopifyヘルプセンターは「Shopify管理画面で返金を開始した後は、その返金をキャンセルしたり元に戻したりすることはできません」と明記しています。誤った金額で返金すると、購入者への再請求は実務上きわめて困難です。実行前に次の4点を確認する運用にしてください。

  • 金額:商品代金・送料の内訳が、返品ポリシーで定めた負担区分と一致しているか
  • 返送物の到着:返送を条件にしている場合、到着・検品が済んでいるか
  • 在庫の再入庫:再販可能かどうかに応じてチェックの有無が正しいか
  • 返金先:元の決済方法とストアクレジットのどちらか、購入者と認識が合っているか

判断基準が曖昧だと確認は担当者の裁量任せになります。どこまでを店舗負担にするかの事前の文書化が結局は最短の対策で、書き方は返品ポリシーの書き方で解説しています。

 

決済手数料は戻らない ― 返金1件ごとに残るコスト

返金にまつわる誤解でもっとも多いのが決済手数料の扱いです。Shopifyヘルプセンターは「返金を発行しても、元のクレジットカードの取引手数料は返金されません」と明記しています。返金と元の取引の両方を処理する費用が発生するため、というのがShopifyの説明です。

 

一方で、返金処理そのものに追加の取引手数料が発生するわけではありません。手数料が二重に取られるのではなく、売上が取り消されても最初の1回分の決済手数料だけが店舗負担として残るという構造です。返金された注文は売上がゼロになるだけでなく手数料の分だけマイナスになり、返品率が高いカテゴリや高単価商材ほどこの積み上がりは無視できません。

 

残高が返金額に足りない場合の挙動も押さえておきましょう。米国・カナダ・欧州などでは不足分が銀行口座から引き落とされ、その他の国では以後の入金から差し引かれます。返金が集中した月は入金額が想定より減るため、資金繰りにも影響します(Shopifyの入金サイクルはどれくらい?)。

 

顧客に届くまで最大10営業日 ― 「返金がまだ」への備え

返金を実行しても購入者の手元にすぐ反映されるわけではありません。Shopifyペイメントの返金は管理画面上で最大2営業日「保留」と表示され、購入者の口座に資金が表示されるまでは最大10営業日かかる場合があります。実際の日数は購入者の金融機関の処理速度に左右されます。

 

この時間差が「返金したのに問い合わせが来る」状態を生みます。備えは2つ。返金完了メールにあらかじめ「カード会社によっては明細への反映まで最大10営業日程度かかる場合があります」と目安を書いておくこと。そして問い合わせが来た場合にARN(Acquirer Reference Number)を使うことです。

 

ARNはVisa・Mastercardを含む取引についてShopifyペイメントで処理された返金に割り当てられる番号で、注文タイムラインの返金詳細から確認できます。購入者が「返金を受け取っていない」と申し出た際、この番号を伝えてカード発行会社に照会してもらえます。なお購入前のオーソリ(仮売上)をキャンセルした場合の反映は別のルールで動きます(オーソリキャンセル(与信解放)の反映はいつ?)。

 

返金が保留・失敗する主な原因

返金が想定どおりに完了しないこともあります。Shopifyヘルプセンターが挙げる主な原因は次のとおりです。

  • 返金額が元の取引額を上回っている
  • 取引がShopifyペイメントまたは決済サービスがサポートする返金期間を過ぎている
  • 注文に未解決のチャージバックや異議申し立てがある
  • 購入者の決済方法や銀行口座が返金を受け取れない状態にある
  • Shopifyペイメントの残高がマイナス残高のしきい値を超えている

最後のマイナス残高は返金が集中した時期に起きやすく、保留中の返金は残高の解消後に作成順で処理されます。「保留」が2営業日を超えるときは、まず残高を確認するのが定石です。返金期間の超過は、返品可能期間を長く設定している店舗ほど注意が必要です(返品はいつまで?特約表示がなければ8日以内)。

 

返金処理を手作業から切り離す

Shopifyの返金は単独では完結しません。返品の受付、返送物の確認、在庫の再入庫、返金額の確定、返金の実行、購入者への通知という連なりがあり、すべてが手作業だと件数に比例してミスと工数が増えていきます。

 

Recustomerは、この流れをShopifyアプリとして自動化するサービスです。購入者はストアの返品ページから自分で申請でき、店舗側が承認するとShopify側の返金と在庫戻しまで連携して処理されます。返品可否の判定条件、返送方法、送料の負担区分をストアごとに設定できるため、「どこまで自動で通し、どこから人が見るか」を運用に合わせて決められます。顧客満足度6年連続1位のハニーズでは、導入により返品・交換の問い合わせが6割減り、1件あたりの処理時間も半減しました。

 

よくある質問

 

Q. Shopifyで一度実行した返金を取り消せますか?

できません。Shopifyヘルプセンターは、管理画面で返金を開始した後にその返金をキャンセルしたり元に戻したりすることはできない、と明記しています。実行前に金額・返送物の到着・在庫の再入庫・返金先を確認する運用にしてください。

 

Q. 返金するとクレジットカードの決済手数料は戻ってきますか?

Shopifyペイメントの場合、元のクレジットカード取引手数料は返金されません。ただし返金処理に対して追加の取引手数料が発生するわけではないため、手数料が二重に発生することはなく、最初の1回分が店舗負担として残ります。

 

Q. 返金してから購入者の口座に反映されるまで何日かかりますか?

Shopifyペイメントの返金は管理画面上で最大2営業日「保留」と表示され、購入者の口座に資金が表示されるまでは最大10営業日かかる場合があります。実際の日数は購入者の金融機関によって異なります。

 

Q. 返品された商品を在庫に戻したくない場合はどうすればよいですか?

返金画面の在庫の再入庫(restock)はデフォルトで選択された状態になっているため、手動で選択を外してください。この項目は在庫追跡が有効なアイテムでのみ利用できます。汚損・破損で再販できない返品では外すのが原則です。

 

Q. 送料も返金できますか?

できます。返金画面で送料の返金額を個別に指定できますが、返金可能額を超えることはできません。ただし、注文レベルの送料無料ディスカウントが適用されている注文では送料を返金できません。

 

Q. 返金が「保留」のまま進まないのはなぜですか?

返金額が元の取引額を上回っている、返金可能な期間を過ぎている、未解決のチャージバックがある、購入者の決済方法が返金を受け取れない、Shopifyペイメントの残高がマイナス残高のしきい値を超えている、といった原因が考えられます。2営業日を超えて保留が続く場合は、まず残高を確認してください。

 

まとめ

Shopifyの返金は数クリックで実行できる一方、取り消しができず、決済手数料が戻らず、購入者への反映に最大10営業日かかるという、後戻りしにくい性質を持ちます。だからこそ返金金額の判断基準と在庫の再入庫ルールを事前に文書化し、着金までの目安を購入者に先回りして伝えておくことが、そのままCS工数の削減につながります。件数が増えてきたら、受付から返金・在庫戻しまでをシステム側で連携させるのが次の一手です。

返品・返金の手作業をなくしたい方へ

返品の受付から返金・在庫戻しまで、Shopifyと連携して自動化できます。
現在の運用フローをお伺いし、どこまで自動化できるかをご提案します。

 

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出典・参考文献

  1. 注文の返金 · Shopify ヘルプセンター
  2. Shopify ペイメントの返金 · Shopify ヘルプセンター
  3. 失敗した返金または保留中の返金のトラブルシューティング · Shopify ヘルプセンター
  4. 注文のキャンセル · Shopify ヘルプセンター
  5. 顧客満足度6年連続1位のハニーズが、Recustomerを導入!返品・交換のお問い合わせ6割減、処理時間も半減した舞台裏とは?

 

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