
課題
・返品・交換対応において、特に交換に伴う対応がCSのリソースを大きく圧迫していた
・当初は交換対応は行っておらず、都度お客様に返品してもらい再購入していただくフローだったため、タイムラグが発生しやすい状況だった
・配送状況についての問い合わせが多く、回答までお客様を待たせていた
活用
・従来メールで行っていた手動の返品・交換対応を、お客様自身が専用フォームから申請できるように、交換時の在庫確保から出荷指示までの一連の流れを自動化
・配送追跡機能を活用し、顧客がいつでもマイページで発送状況を確認できる環境を整備
効果
・配送や交換に関する問い合わせを約30%削減し、より重要度の高い業務へシフト可能に
・直感的な操作性で、誰でもミスなく運用できる体制を構築
・問い合わせ件数30%削減で、従量課金型のCS外注コストを軽減
35周年の節目を迎えた、日本を代表するジュエリーブランド「agete(アガット)」。一つひとつ異なる表情を持つ「天然石」を主軸に、その唯一無二の価値を提案し続けるのが株式会社エーアンドエスです。
急成長を続けるEC事業ですが、その運営はわずか7名の少数精鋭チーム。クリエイティブ制作からバックオフィス業務まで多岐にわたる業務を担う中、顧客体験の向上と業務効率化の両立が大きな課題となっていました。
今回は、Recustomerを導入いただいた背景と、購入後の不安やストレスを解消することでブランドへの信頼をより確かなものにした理由、そしてジュエリーという「一生モノ」を支える今後の展望について、Eコマース課 課長の和田さんにお話を伺いました。
35周年、変わり続ける「agete」のEC戦略

▲ジュエリーブランド agete HPより
https://agete.com/
——まずは、株式会社エーアンドエス(以下、A&S)の事業内容と、和田様の役割について教えてください。
和田: 弊社は35周年を迎えたジュエリーブランド「agete(アガット)」を中心に、ジュエリーを展開している会社です。
私の役割は販売統括部のEコマース課において、ウェブ領域全般を統括することです。ECの売上責任はもちろんですが、UI/UXの改善、ツールの選定・導入、データを活用したMA(マーケティングオートメーション)ツールの運用まで幅広く担当しています。
——EC事業の運営体制はどのような形でしょうか。
和田: ECチームは私を含めて現在7名です。EC運用担当が3名、撮影などささげ担当が1名、サイト改修やUX担当が1名、バナーなどクリエイティブ担当が1名といった構成ですね。CS(カスタマーサポート)については、一次受けを外部に委託し、エスカレーションされた内容を社内CS3名で対応する形をとっています。
ジュエリーにおける顧客体験は「スタイリング」と「出会い」
——A&Sが顧客体験(CX)において、特に大切にしているポイントは何ですか?
和田: ジュエリーはアパレルとは違い、必ずしも必要ではない嗜好品です。だからこそ、手に取った時の「気分が高まる瞬間」や、自分へのご褒美だったり、大切な人へのギフトとなるモノです。

▲石の個体差(色幅)を可視化するコンテンツ
ECでこだわっているのは、「店舗での接客体験をいかに再現するか」。具体的には、天然石という「唯一無二の存在」との出会いをいかに演出するか、です。
アガットが扱う石は、カットする場所によって色も表情も異なる一点モノ。ECでも「画像と違うものが届く不安」を期待感に変えられるよう、あえて石の個体差(色幅)を可視化するコンテンツを充実させたり、倉庫で画像に近い個体を選別する工程を組んだりと、お客様が「自分だけの一品」に巡り会えるような体験を設計しています。
導入前の課題:複雑な「交換対応」がCSを圧迫
——Recustomerを導入される前、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
和田: 一番の課題は、購入後のコミュニケーションコストでした。「注文した商品はいつ届くのか」という問い合わせは多かったですし、それ以上に大変だったのが「商品の交換」への対応です。
特にリングはサイズ交換のニーズが多いアイテムですが、従来の運用では、一度返品の手続きをしてから再購入に至るまでメールで行う必要があり、お客様との間で手動のやり取りが何往復も続いていました。
他にも、クーポンを使用した購入の際に、交換希望があった場合はクーポンの再発行の手間があるなど対応パターンが多岐に渡る点も課題でした。再購入していただくというフロー上、返品後に再購入していただけないケースもありました。
また、『いつ届きますか?』という配送に関するお問い合わせも多くありました。ジュエリーという商材の特性上、『この日までに必ず欲しい』といった切実なニーズが多く、一刻も早い回答が求められていました。
——導入のきっかけや、決め手は何だったのでしょうか。

和田: きっかけは、グループ内の別ブランドから「Recustomerなら返品・交換の工数削減ができる」という話を聞いたことでした。その後、セミナーで詳細を伺う機会があり、自社の課題感とタイミングが合致したのが始まりです。
決め手は大きく2つあります。1つは、UIが非常にシンプルで、現場スタッフにとっての使いやすさが際立っていたこと。もう1つは、私たちの要望に沿ったカスタマイズや伴走支援を任せられるという信頼感です。当初は自社でのスクラッチ開発も検討しましたが、スピード感とコストを天秤にかけ、Recustomerがベストだと判断しました。
もちろんコストや工数の削減も重要ですが、それ以上に「捻出したリソースを、チャットボットやWebリペアといった新サービスの展開に充てたい」という想いがありました。お客様に実店舗のような感覚で、ストレスなく気軽にジュエリーを手に取っていただきたい。今回の導入は、ECにおけるユーザビリティ向上を追求した結果でもあります。
導入後の効果:問い合わせ30%削減と、交換対応の自動化
——導入後の定量・定性的な効果はいかがですか?
和田: 定量面では、配送や返品に関する問い合わせを約30%削減でき、それに合わせてCSにかかるコスト削減も実現することができました。 お客様自身で配送状況を確認できたり、返品・交換の申請を完了できたりするようになったことで、CSチームからは「問い合わせ数が減り、業務負担が軽減された」という声が上がっています。
——特に便利だと感じている機能はありますか?
和田: やはり「交換」の自動化ですね。交換申請があった段階で、在庫を自動的に確保する仕組みを構築しました。これにより、申請から出荷まで自動化できています。
また、管理画面の分かりやすさも大きなポイントでした。それまではエクセルで管理することが多かったので、新しいシステムの画面が複雑だと現場に拒否反応が出てしまう懸念がありました。しかし、Recustomerは直感的に操作できるので、スムーズな導入と運用の定着につながったと感じています。
今後の展望:配送修理の自動化「Webリペアサービス」への挑戦
——今後、Recustomerを活用してどのようなことに取り組んでいきたいですか?
和田: 今、最も力を入れているのが「配送修理(Webリペアサービス)」の自動化です。 ジュエリーは10年、20年と使い続け、リペアしながら愛着を持っていただくものです。しかし、これまでは修理の受付は店舗に持ってきていただくのが主流で、店舗が近隣にない方には、ご不便をおかけする状況でした。
今、私たちが準備しているのは、Recustomerとエコ配送バッグ「COMVEY(コンベイ)」を組み合わせたスキームです。お客様がECで修理を申し込むと、専用のキットが届き、それをRecustomerの集荷機能※を使って送っていただく。この一連の流れを自動化することで、近隣に店舗がないお客様でも、大切なジュエリーを一生使い続けられる環境を整えたいと考えています。
※配送業者と連携することにより、ボタン一つで集荷を手配することができる機能。購入者の返送業務の負担を軽減することで、顧客体験向上を実現。
——それはまさに「購入後体験」の究極の形ですね。
▲ジュエリーのお手入れ方法や天然石の種類を学べるジュエリーガイド
https://www.aands-company.jp/jewelry_guide/philosophy
和田: そうですね。一度買って終わりではなく、永続的にブランドとタッチポイントを持っていただく。その「メンテナンス」という接点こそが、次に「またアガットで買おう」と思っていただくための最大のロイヤリティ構築になると信じています。
——最後に、Recustomerに期待することを教えてください。
和田: まずは、今進めている「修理受付の高度化」の実現ですね。また、弊社は越境ECも強化しており、アクセスも非常に多いため、多言語対応や海外配送における返品・追跡のアップデートにも期待しています。
Recustomerさんは、こちらの「こうしたい」という抽象的な思いを、スピード感を持ってプロダクトに反映してくれます。これからも良きパートナーとして、一緒に新しいジュエリーの購入後体験を作っていければと思っています。
【編集後記】
アガットが大切にされている「ジュエリーに対する愛着」を、テクノロジーの力でより強固なものにしようとする和田さんの姿勢が印象的でした。特に「Webリペアサービス」の構想は、サステナブルなブランド体験の新しいスタンダードになるはずです。