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「地獄のエクセル管理」からの脱却。スマートリング『SOXAI』が語る、事業成長に不可欠だった“購入後体験”改革

 

SOXAI導入事例

 

課題

・1万行を超える膨大なデータで動作が重くなり、返品・交換の進捗管理が物理的な限界に

・急増する問い合わせに2名で対応。メールの何度も続く往復や在庫調整に現場が疲弊

・30種類以上のサイズ・カラーと生産計画を手動で突き合わせる、ミスが許されない高負荷な作業

 

活用

・返品・交換の受付からステップごとの案内メール送信までをRecustomerで自動化

・急増する問い合わせに2名で対応。メールの何度も続く往復や在庫調整に現場が疲弊

・返品理由を詳細なデータとして蓄積し、プロダクト開発チームへフィードバックして不具合を根本改善するサイクルを回した

 

効果

・Recustomer導入により、手動で行っていた返品・交換受付や管理工数を約80%削減

・「受付完了」「返送先案内」「到着確認」といったステップごとのメール送信を自動化。作成・送付にかかっていた時間を実質ゼロに

・スムーズな購入後体験の提供が購入時の心理的障壁を取り除き、中長期的なCVR向上とLTV最大化を実現

 

「ヘルスケアをライフスタイルに」をビジョンに掲げ、日本発のスマートリング「SOXAI RING」を展開する株式会社SOXAI。

急成長を遂げるD2Cブランドの裏側には、アナログなCS対応による壮絶な運用が行われていました。今回は、CFOの光頼様とCS責任者の武内様に、Recustomer導入の経緯と、劇的な業務改善の裏側についてお話を伺いました。

 

SOXAI RING公式オンラインショップ:https://soxai.co.jp/

 

ヘルスケアを日常に。SOXAIが描くビジョンと成長の軌跡

 

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 ▲プレスリリースより

 

―― まず、SOXAIの事業内容とお二人の役割について教えてください。

光頼氏:

SOXAIは「ヘルスケアをライフスタイルに」というビジョンを掲げ、日本発のスマートリング「SOXAI RING」を開発・販売しています。

 

健康管理のために自分の心身の状態を知るには、正確なデータを計測し続けることが必要です。しかし、スマートウォッチに代表される従来のデバイスでは、睡眠中をはじめ24時間の常時着用には負担がかかることもあります。そこで、24時間自然に身につけられるデバイスとして「リング(指輪)」という形状に辿り着きました。

 

私は現在、IPO準備のためにCFOとして管理部門も見ていますが、創業時から事業側も兼任しており、マーケティング・顧客体験・オペレーションの設計などにも深く関わってきました。Recustomer導入当時はCS体制の構築にも取り組んでいました。

 

武内氏:

私はCX(カスタマーエクスペリエンス)の責任者を務めています。お客様からのお問い合わせ対応をはじめ、返品・交換や配送のオペレーション管理など、お客様とのコミュニケーション全般を通じてより良いお客様体験をつくる役割を担当しています。

 

―― 事業が急成長したきっかけは何だったのでしょうか?

光頼氏:

最初の大きなきっかけは「Makuake」でのクラウドファンディングです。そこで、1週間ほどで4000万円ほどのご注文をいただき、その後自社EC、Amazonへと販路を広げました。当初はガジェット好きのお客様が中心でしたが、最近では家電量販店やドコモショップなどのオフライン展開も進めており、健康意識や睡眠意識の高い方々など、よりマスに近い層へとターゲットが広がっています。

 

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▲株式会社マクアケ HPより

 

―― 顧客体験(CX)において大切にしていることはありますか?

光頼氏:

私たちは、会社のバリューの一つとして「お客様視点」を掲げ、D2Cブランドとしてお客様と直接つながることを非常に重視しています。そのため、お客様体験を最大化させるために、CS業務を単純なコスト削減としてアウトソースするのではなく、お客様との接点のコアと捉えて社内で内製化しています。また、お客様の声を直接拾い上げる体制にもこだわっています。

 

導入前の課題:注文1万件に対して「人力エクセル」の限界

 

―― 改めて、導入前の課題について詳しく教えてください。

光頼氏:

当時の状況は、一言で表現するなら「地獄のエクセル管理」でした。

注文数が1万件を超えるような急成長に対して、返品・交換の管理をすべてエクセルとメール、そして一部のタスク管理ツールで行っていたんです。

 

お客様からメールで返品・交換の問い合わせが来るたびにエクセルへ手動で入力し、対応が終わればステータスを更新する。当時は私含めて2名で対応しており、この作業だけでかなりの負担がかかっていました。また、エクセルの行数は1万行を超え、動作も重く、データ更新のたびにストレスも感じていました。

 

―― 単純な入力作業以外に、何がそこまで現場を疲弊させていたのでしょうか?

光頼氏:

一番のボトルネックは「在庫調整のコミュニケーション」でした。

当時は一気に成長したこともあり、交換品の在庫が不足しがちだったため、単に「交換品を送ります」という対応ができないこともありました。在庫表や生産計画と睨めっこしながら、お客様一人ひとりに「希望のサイズは在庫切れですが、別の色なら来週にはご用意できます」「着用する指を変えて、このサイズにしませんか?」といった提案メールを手動で送る必要があったんです。

 

さらに、1つのお問い合わせで交換が完了せず、2回、3回とやり取りが続くケースもあります。

「どの注文の」「どのお客様が」「今どういう交渉状態で」「商品はいつ返送されるのか」。

さらに30SKUを超える各製品に対して「次の生産はいつ、何個か」「足元の各在庫数はどう遷移しそうか」。これらが同時多発的に起き、エクセルでは追いきれない「カオス」な状態になっていたのです。

 

導入の経緯:「人力の限界」を超え、急成長を持続するための一手

 

―― そこでツールの導入を検討されたわけですね。Recustomerを選んだ決め手は何でしたか?

光頼氏:

「Shopify 返品」などで検索している中でRecustomerに出会いました。いくつかツールを比較した上で、最終的にRecustomerを選んだ理由は、「かゆい所に手が届く機能性」と「Shopifyコミュニティでの評判」です。

 

前者については、例えば、交換伝票に特定のタグを付与できる機能など、現場のオペレーションを細かく想定した作りになっていました。後者については、私たちはShopifyのカートシステムを利用しているのですが、Shopifyベンダーや他のD2C事業者からの評価が高かった点も信頼につながりました。

 

―― 導入にあたって、費用対効果(ROI)の懸念はありませんでしたか?

光頼氏:

正直、ROIを細かく試算して議論する余裕は当時ありませんでした。

というのも、当時は実際に私もCS業務で手を動かしており、「試算に時間をかけている間にもご注文数・お問い合わせ数は増え続け、現場の対応が追いつかなくなる。とにかく1分でもあれば目の前のお客様対応が最優先」という、常に逼迫した状況だったからです。

 

一方で、「このまま人海戦術を続けていたら、CSがパンクして事業成長のボトルネックになる」という危機感も常にありました。だからこそ、厳密なシミュレーションに時間をかけるよりも、持続的に伸ばすための「仕組み化」に一刻も早く踏み切るべきだと判断しました。Recustomerの導入は、その意味で必然の決断でした。

 

導入後の効果:工数8割減と「属人化」の解消

 

―― 実際にRecustomerを導入して、業務はどのように変わりましたか?

光頼氏:

劇的な変化がありました。体感値として、返品・交換にかかる実務工数は約8割削減されたと感じています。

 

武内氏:

以前はメールで一つひとつ案内していた「受付完了」「返送先案内」「到着確認」といったフローが、Recustomer上でステータスを変更するだけで自動送信されるようになりました。これにより、メール作成を含めた定型的なご案内にかかる時間が、ほぼゼロになりました。

 

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―― 定量的な効果以外に、質の面での変化はありましたか?

光頼氏: 

非常に大きかったのが、「VOC(お客様の声)を分析し、根本解決に回せるようになったこと」です。 以前のメール対応だけでは、「なぜ返品されたのか」という理由をタイムリーに且つ正確に集計・分析するのは非常に困難でした。しかしRecustomer導入後は、「アプリ連携がうまくいかない」「サイズが合わない」といった理由が詳細なデータとして蓄積されます。

 

これにより、いただいた問い合わせを単に捌くだけの「対症療法」から、データをもとに開発チームへフィードバックし、製品やアプリの不具合自体を直すという「根本的な課題解決」のサイクルが回るようになりました。これはCSだけでなく、プロダクト開発全体にとって大きな資産です。

 

機能説明▲返品データの集計・分析をすることが可能

 

―― 特に便利だと感じている機能はありますか?

武内氏:

一番は「自動送信メール機能」ですね。

交換の受付完了や返送先の案内など、ステップごとのメール送信を全く気にしなくて良くなったのは本当に助かっています。

私たちは現在、商品が倉庫に返送され、中身を確認してから交換品を発送するという運用を基本としています。その際、「商品を確認しました」「交換品を発送しました」といった連絡が自動化されることで、CSチームは一人ひとりの状況に寄り添った対応など、お客様体験の質を高める対応に注力できるようになりました。

 

他には「管理画面の視認性と操作性」を挙げたいです。非常にシンプルで、どの案件がどのステータスにあるかが一目で分かります。「誰が・何を・いつまでにやるべきか」が明確なので、私が都度指示を出さなくても、現場のメンバーが画面を見て自律的に業務を進められます。

 

一つの画面で情報が完結し、ボタンを押していくだけで処理が進む。このシンプルさが、属人化を防ぎ、スムーズな運用を実現していると感じます。

 

経営視点:「購入後体験」への投資が売上を作る

 

―― 効率化だけでなく、売上や事業成長という観点ではどのようなインパクトがあると考えていますか?

光頼氏:

重要なポイントなのですが、「スムーズな返品・交換体験は、売上(CVRやLTV)に直結する」と考えています。

 

スマートリングはまだ世の中に定着していない新しい製品カテゴリです。お客様にとって、サイズ感や着け心地がわからない状態で数万円の商品を買うのは勇気がいります。「もし合わなかったらどうしよう」という不安がある中で、「サイズ交換や返品が簡単にできる」という後ろ盾があることは、障壁を取り除き、購入を決めていただく最後の一押しにもなります。

 

―― なるほど。購入後体験の改善はコストではなく、売上を作るための投資でもあるということですね。

光頼氏:

その通りです。特に私たちはスタートアップであり、ブランドへの信頼がまだ確立されていないフェーズです。

 

ここで「返品が全くできない」「不十分なコミュニケーション」といったお客様体験を生んでしまうと、ブランドイメージは大きく傷つきます。逆に、万が一製品が合わなかったとしても、その後の対応がスムーズであれば、お客様からの信頼を損なわず、むしろブランドへの信頼が高まり、次の購入可能性にも繋がるのではないかと考えています。

 

Recustomerのようなサービスを使ってお客様の「購入後体験」を充実させることは、単なる業務効率化ではなく、中長期的なブランドのファン作り、ひいては売上向上に不可欠な戦略だと捉えています。

 

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▲Recustomer返品・キャンセルの画面イメージ

今後の展望:ブランドの信頼を積み上げる取り組みを

 

―― 最後に、今後どのような取り組みに力を入れていかれますか?

武内氏:

事業が拡大しても、お客様一人ひとりの体験を損なわないよう、CSの質を安定させ、高めていきたいと考えています。

 

返品や不具合といった一見するとネガティブな体験を、迅速で丁寧な対応によってポジティブな信頼へと変えていくことが目標です。

 

光頼氏:

ブランドとしての信頼構築ですね。「SOXAIなら安心」「やっぱりSOXAIがいい」と思っていただけるよう、VOC(お客様の声)を製品開発に反映させるサイクルをより強化していきます。

 

広告宣伝に頼らずとも、お客様が家族や友人に「これ良いよ」と勧めたくなるような、愛されるブランドを作っていきたいです。

 

―― 今後、Recustomerに期待することはありますか?

光頼氏:

現在開発中と伺っている、「即時交換(手元の商品を返送する前に、交換品を先に発送する機能)」や「価格差がある商品との交換機能」「家電量販店などのShopify以外の購入チャネルへの対応」には非常に期待しています。こういった、事業者とお客様双方のメリットになる機能を今後も拡充していってほしいです。

 


 

【編集後記】

「地獄のエクセル」というパワーワードが出るほど、急成長中のD2CブランドにとってCSの裏側は壮絶です。SOXAI様はRecustomerを導入することで、成長スピードに追いつかなくなった人力オペレーションを刷新し、事業の拡大に耐えうる強固なCS基盤を構築されました。スマートリングという新しい市場を切り拓く同社の挑戦を、今後もテクノロジーの力で支えていきます。

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