
25日ルールに対する主要決済代行の対応状況は、「3社とも再オーソリのAPI間口は公開しているが、それを使って期限前に能動的に再オーソリし続ける仕組みは加盟店側の実装責任」というのが共通の結論です。ただし、APIの仕様・制約・海外カードの扱いは各社で大きく異なります。
2026年7月以降、Visa・Mastercardのオーソリ(仮売上)有効期限が国内カードで25日間、海外発行カードでは1〜7日間に短縮されます。EC事業者が直接契約する決済代行(GMOペイメントゲートウェイ、SBPS、PAY.JP等)がどのような再オーソリのAPI間口を公開しているかによって、予約販売・受注生産の売上を守れるかどうかが決まります。
この記事では、GMOペイメントゲートウェイ・SBPS・PAY.JPの3社について、再オーソリAPI・オーソリ期間延長・海外カード対応・運用上の注意点を詳しく比較します。
※ カートシステム(ecforce・Shopify・カラーミー・BASE・makeshop)の対応状況は別記事「【カート別】オーソリ期限25日短縮の対応状況まとめ」で解説しています。
この記事はこんな方におすすめです
- 自社が契約している決済代行が25日ルールにどう対応しているか確認したい方
- 再オーソリAPIの仕様・制約の違いを決済代行ごとに比較したい方
- 越境ECで海外カードの短縮ルール(7日制限)への対応を検討している方
- 再オーソリの自動化を検討しているが、決済代行のAPI仕様と特許リスクを整理したい方
目次
- 25日ルールと決済代行の関係 — カートの裏側で何が起きているか
- 決済代行別 対応状況の一覧表
- GMOペイメントゲートウェイ — 再オーソリAPI間口+期間延長を公開
- SBPS — 再オーソリ可。ただし取消後は再取得不可
- PAY.JP — 海外カード7日制限と2026年8月API仕様変更
- 決済代行のAPIだけでは解決しない問題 — 「部品」と「自動制御」の違い
- よくある質問
この記事の要点(30秒で読める)
- 全社共通: 25日ルールはブランドレギュレーション変更であり、どの決済代行を使っても同じルールが適用される。違いが出るのは対応機能と制約
- GMO PG: 再オーソリAPI間口+オーソリ期間延長を公開。ただし自動ループは加盟店の実装責任
- SBPS: 再オーソリ対応。ただし取消処理後は再オーソリ不可。運用フロー設計を誤ると復旧不能
- PAY.JP: 再オーソリAPI間口を公開。2026年8月〜海外カードは7日制限に短縮。越境ECに直撃
- 共通の落とし穴: 再オーソリAPIは「部品」。自動ループ+出荷停止の一連の制御は特許(第7721200号)で保護済み
25日ルールと決済代行の関係 — カートの裏側で何が起きているか
EC事業者がカートの管理画面で見ている「決済」の裏側では、決済代行がカードブランド(Visa・Mastercard)のルールに従ってオーソリ(仮売上)を処理しています。25日ルールの影響を最終的に受けるのは、このオーソリ処理を担う決済代行の層です。
25日ルールとは、2026年7月以降にVisa・Mastercardが適用する、オーソリ有効期限を従来の最長60〜90日から25日間(海外発行カードは1〜7日)に短縮するブランドレギュレーション変更です。25日を超えた仮売上は決済代行側で自動キャンセルされ、実売上への切り替えができなくなります。
カートシステム(ecforce、Shopify等)は、この決済代行のAPIを通じて決済を処理しています。つまり、カートが「再オーソリ対応済み」と表記していても、実際に再オーソリを実行するのは決済代行です。そのため、決済代行側の仕様・制約を正しく理解しないと、カートの機能だけでは対策が不完全になります。
- 決済代行が再オーソリのAPI間口を公開しているか
- オーソリ期間延長と再オーソリのどちらに対応しているか
- 取消後の再オーソリが可能か(不可の場合は復旧不能)
- 海外発行カードに対する追加制限(7日等)があるか
- APIの呼び出し回数制限やエラー時の挙動
これらは決済代行ごとに異なるため、自社が契約している決済代行の仕様を正確に把握することが不可欠です。
決済代行別 対応状況の一覧表【2026年7月版】
主要決済代行3社の25日ルール対応状況を、告知・再オーソリAPI・オーソリ期間延長・海外カード対応・取消後の再オーソリ可否の5軸で整理しました。
▼決済代行別 対応状況(2026/6/18時点)
| 決済代行 |
告知状況 |
再オーソリAPI |
オーソリ 期間延長 |
海外カード 対応 |
取消後の 再オーソリ |
GMOペイメント ゲートウェイ |
加盟店向け案内済 |
提供 |
提供 |
要確認 |
可能 |
SBPS (SBペイメント サービス) |
加盟店向け案内済 |
提供 |
要確認 |
要確認 |
不可 |
| PAY.JP |
告知済 |
提供 |
要確認 |
7日制限(8月〜) |
要確認 |
※最新情報は各社ホームページをご確認ください
表のとおり、3社とも再オーソリのAPI間口は公開していますが、それぞれ固有の制約があります。特にSBPSの「取消後は再オーソリ不可」とPAY.JPの「海外カード7日制限」は、運用フローを誤ると売上を回復できないケースに直結します。以下、各社を個別に見ていきます。
GMOペイメントゲートウェイの25日ルール対応状況 ― 再オーソリAPI間口+期間延長を公開
GMOペイメントゲートウェイ(PGマルチペイメントサービス)は、再オーソリと期間延長の両方のAPI間口を公開しており、決済代行の中では間口の選択肢が最も多いと言えます。ただし、これらはあくまで「呼び出せるAPIエンドポイント」であり、期限前に能動的に再オーソリを繰り返す仕組みは加盟店側で構築する必要があります。
GMOでは、取消後に再度決済を確定したいときに再オーソリのAPIを呼び出すことができ、金額や決済方法の変更、3Dセキュア取引での再オーソリにも対応しています。仮売上のオーソリ期間延長のAPIも公開されています。ただし公開されているのは個々のAPIエンドポイントであり、「期限が切れる前に自動で再オーソリを繰り返し、出荷を検知したら自動で止めて実売上にする」という一連の自動制御は、GMO側ではなく加盟店(事業者)側で組む必要があります。
GMO PGを利用する事業者の注意点
- オーソリ期間延長の上限: ブランドルールの25日を超えて延長することはできない。延長はあくまで25日以内の管理手段
- 再オーソリは「取消→再取得」: 既存の仮売上を取り消した上で新たにオーソリを取得する処理。カード限度額の変動で失敗するリスクあり
- 自動ループの構築: 再オーソリAPIを定期的に呼び出すバッチ処理は加盟店が自前で実装する必要がある。この自動ループの実装には後述する特許リスクが伴う
SBPS(SBペイメントサービス)の25日ルール対応状況 ― 再オーソリ可・取消後は再取得不可
SBペイメントサービス(SBPS)も再オーソリに対応していますが、いったん「取消」処理を完了すると再オーソリができなくなる点に注意が必要です。この制約はGMO PGにはない、SBPS固有の落とし穴です。
SBPSのオーソリ保持期間の目安はおおむね45日とされますが、カード会社により前後します。再入力上限エラーなどが発生すると、その後にエラー原因(有効期限切れ等)を解消しても仮売上は完了せず、定期受注では新たな子受注を生成し直す必要があります。「代金引換に変えてからクレジットに戻して再オーソリ」といった回避策も受け付けられないため、運用フローの設計を誤ると復旧できないケースが生まれます。
SBPSを利用する事業者の注意点
- 取消後は再オーソリ不可: 仮売上を取り消すと、同じ注文での再オーソリができなくなる。取消のタイミング判断を誤ると売上回復が不可能に
- 再入力上限エラー: エラー発生後は原因解消しても仮売上が完了しない場合がある。定期受注では子受注の再生成が必要
- 決済方法の切り替え回避策は不可: 代引き→クレジットのような運用回避は機能しない
- 自動ループの実装責任: GMOと同様、自動で繰り返す仕組みは加盟店側が実装。特許リスクあり
PAY.JPの25日ルール対応状況 ― 海外カード7日制限と2026年8月API仕様変更
PAY.JPは2026年8月以降、海外発行カードに対して7日を超えるオーソリ期限のリクエストを自動的に7日へ短縮して返却する仕様変更を予定しています。越境ECにとっては国内の25日ルールよりもさらに厳しい制約です。
国内カードの25日に加えて、海外発行カードはさらに短い7日制限がかかるため、越境ECや訪日客の利用が多いストアは特に影響を受けます。7日を超えて売上確定した場合、「オーソリ未取得」を理由にしたチャージバック(売上の強制返金)が成立するリスクがあります。
PAY.JPは再オーソリ用のAPI間口を公開していますが、間口はあくまで部品で、「期限前に自動で打ち直し続け、出荷時に止める」運用はインテグレーション側で実装する必要があります。
PAY.JPを利用する事業者の注意点
- 海外カード7日制限(2026年8月〜): 7日超のオーソリ期限リクエストが自動的に7日に短縮される。越境ECは実質全注文が影響
- チャージバックリスク: 7日を超えてキャプチャすると、「オーソリ未取得」でチャージバックが成立する可能性
- 国内25日 + 海外7日の二重管理: カード発行国によってオーソリ期限が異なるため、注文ごとの期限管理が複雑化
決済代行のAPIだけでは解決しない問題 ― 「部品」と「自動制御」の違い
ここまで見てきたとおり、GMO PG・SBPS・PAY.JPの3社とも再オーソリのAPI間口は公開しています。しかし、それらはあくまで「呼び出せるエンドポイント」であり、"仕組み"ではありません。
予約販売の売上を守るために本当に必要な「期限前に能動的に再オーソリし続け、出荷を検知して自動停止する一連の制御」は、どの決済代行もAPI間口の先にある仕組みとしては提供していません。
この一連の制御を自社で開発しようとすると、技術的な難しさに加えて特許リスクという壁にぶつかります。
特許第7721200号(Recustomer社)
以下の一連の制御ロジックに対して特許が認められています。
- オーソリの有効期限が切れる前に、自動で再オーソリを繰り返し実行して与信を維持する
- 「出荷(購入確定)」などのイベントを検知して、自動更新をストップさせ、実売上に移行する
決済代行が公開している「再オーソリAPI」の間口自体は特許に触れません。問題になるのは、これらの間口を組み合わせて「自動ループ+出荷フック停止」の仕組みを独自構築した場合です。
| 実装パターン |
特許リスク |
| 決済代行のAPIを手動で呼び出す |
なし(安全) |
| 出荷前に1回だけ自動で再オーソリ |
なし(安全) |
| 期限前に自動で繰り返し再オーソリ+出荷検知で自動停止 |
侵害リスク大 |
つまり、月に数十件・数百件の予約販売を扱う事業者が「最も確実な自動再オーソリ」を手に入れようとすると、自社開発は特許の壁に阻まれ、決済代行のAPI単体では届かない、という板挟みになります。
この最後のギャップを埋めるのが、特許取得済みの自動再オーソリソリューション「Recustomer Secure」です。GMO PG・SBPS・PAY.JPなど既存の決済代行のAPI間口をそのまま活かしながら、期限前の予防的再オーソリと出荷検知による自動停止を、特許のもとで実現します。決済代行もカートも乗り換える必要はありません。
Recustomer Secureは、いまお使いの決済代行・カートを変えずに、特許取得済みの自動再オーソリで予約販売の売上を確保します。
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よくある質問(FAQ)
Q. GMOペイメントゲートウェイは25日ルールに対応していますか?
GMOは再オーソリとオーソリ期間延長のAPI間口を公開しています。3Dセキュア取引での再オーソリや金額変更にも対応。ただし公開されているのはAPIエンドポイントであり、期限前に能動的に再オーソリを繰り返して出荷時に止める仕組みは加盟店側で構築する必要があります。
Q. SBPSの再オーソリで注意すべき点は何ですか?
SBPSは再オーソリに対応していますが、いったん「取消」処理を完了すると再オーソリができなくなります。また再入力上限エラー発生後は、エラー原因を解消しても仮売上が完了しない場合があります。運用フローの設計段階で「取消のタイミング」を慎重に決める必要があります。
Q. PAY.JPの海外カード制限はどう変わりますか?
PAY.JPは2026年8月以降、海外発行カードに対して7日を超えるオーソリ期限のリクエストを自動的に7日へ短縮して返却する仕様変更を予定しています。越境ECや訪日客の利用が多いストアは特に影響を受けます。
Q. 決済代行の再オーソリAPIを使えば自社で自動化してよいですか?
再オーソリAPI自体を使うのは問題ありません。ただし「自動で繰り返し+出荷検知で停止」の一連の制御ロジックはRecustomer社が特許(第7721200号)を取得済みのため、同等の自動ループの独自実装は侵害リスクがあります。
Q. 決済代行を変えれば25日ルールの影響を回避できますか?
回避できません。25日ルールはVisa・Mastercardのブランドレギュレーション変更であり、どの決済代行を使っても同じルールが適用されます。違いが出るのは対応機能(再オーソリAPI、期間延長、海外カード制限の扱い)と運用上の制約です。
Q. 再オーソリとオーソリ期間延長の違いは何ですか?
オーソリ期間延長は、既存の仮売上の有効期限を延ばす処理です。再オーソリは、既存の仮売上を一度取り消した上で新たにオーソリを取得し直す処理です。期間延長はブランドルールの25日を超えて延長できないため、25日ルール下では再オーソリが主な対策手段になります。
Q. 海外発行カードのオーソリ期限は何日になりますか?
海外発行カードはおおむね1〜7日に制限されます。PAY.JPは2026年8月以降、7日超のリクエストを自動的に7日へ短縮します。7日を超えて売上確定するとチャージバックリスクが発生するため、越境ECは特に注意が必要です。
まとめ
- 2026年7月〜、Visa・Mastercardのオーソリ期限が国内25日・海外1〜7日に短縮。決済代行を変えても回避できない
- GMO PGは再オーソリ+期間延長のAPI間口を公開。間口の選択肢は最多だが、自動ループは加盟店の実装責任
- SBPSは再オーソリ対応だが、取消後は再オーソリ不可。運用フロー設計を誤ると復旧不能
- PAY.JPは2026年8月〜海外カードを7日制限に短縮。越境ECに直撃
- 3社とも「再オーソリのAPI間口は公開しているが、それを使って自動で繰り返す仕組みは加盟店の責任」という共通スタンス
- 自動再オーソリ(自動ループ+出荷停止)の一連の制御は特許(第7721200号)で保護。独自開発は法的リスクがあり、Recustomer Secureなら決済代行もカートも変えずに対応できる
- 今すぐ、自社の決済代行との契約内容と、再オーソリAPIの仕様を確認して対策を始めるべき
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この記事の最終更新日: 2026年6月18日 / 各決済代行の対応状況は随時変更される可能性があります。最新情報は各社の公式告知をご確認ください。
出典・参考文献
- GMOペイメントゲートウェイ「[管理画面操作]クレジットカード/取引(決済)の再オーソリをする」
- SBペイメントサービス「オーソリとは?意味やクレジットカード決済における有効性を解説」
- ゼウス(決済代行)「ブランドルール変更に伴う仕様変更のご案内」
- カラーミーショップ「VISA・Mastercardのルール変更に伴うクレジットカード決済の仕様変更について」(2026年6月5日)