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  • Ryosuke Yamazumi

Visa Core Rulesとは ― オーソリ期限を定める国際ルールを解説

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Visa Core Rulesとは、Visaが世界中の加盟店・アクワイアラーに適用する包括的な規約集(正式名称: Visa Core Rules and Visa Product and Service Rules)のことです。オーソリ(仮売上)の有効期限、キャプチャのタイミング、返金、チャージバック手続きなど、カード決済の基本ルールを定めています。

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2026年7月から日本のEC事業者を悩ませている「オーソリ25日ルール」も、この国際規約が土台になっています。日本独自のローカルルールではなく、世界共通の枠組みの中で運用値が決まっているという構造を理解することが、今後のルール変更にも慌てず対応するための鍵です。

 

この記事では、Visa Core Rulesの位置づけから、オーソリ期限の国際基準、Mastercardの相当ルールとの関係、2026年の改定内容、そして違反時のペナルティまで、EC事業者が押さえておくべきポイントを解説します。

この記事の要点(30秒で読める)

  • Visa Core Rulesとは? オーソリ期限やキャプチャ等を定めるVisaの包括的な国際規約
  • 国際基準は? CNP(EC)取引の標準は10暦日。EAS利用で最大30暦日まで延長可能
  • 日本の25日は? 10暦日の標準に延長措置を組み合わせた日本のアクワイアラー独自の運用値
  • Mastercardは? 同時期に25日へ短縮。Undefined Authorizationも既に禁止済み
  • 違反すると? MastercardのTPE Fee、VisaのVAMPによる監視・違反金の対象になり得る
  • 対策は? 期限前に再オーソリを行い、与信を切らさず発送日までつなぐ

 

Visa Core Rulesとは ― カード決済を支える国際ルール

Visa Core Rulesとは、Visaブランドのカード決済に関わるすべての加盟店・アクワイアラー・イシュアーが従うべき規約を定めた、Visaの包括的なルールブックです。正式名称は「Visa Core Rules and Visa Product and Service Rules」で、定期的に改定・再発行されています。

 

この規約には、オーソリ(仮売上)の取得条件と有効期限、キャプチャ(実売上化)を行ってよいタイミング、返金・取消の手続き、チャージバックの申請条件など、EC事業者の決済フローに直結するルールが幅広く含まれています。日本国内で語られる「オーソリ25日ルール」は、このVisa Core Rulesが定める国際基準を土台に、日本のアクワイアラー(加盟店契約会社)が具体的な運用上限を決めたものです。

 

つまり、25日という数字は日本市場だけの特別な制約ではなく、世界共通の規約の一部を日本向けに具体化した数値だと理解しておく必要があります。

 

なぜカードブランドがオーソリ期限を定めるのか

カードブランドがオーソリに有効期限を設ける主な理由は、不正利用リスクの抑制と、消費者の与信枠を必要以上に長く拘束しないための保護にあります。

 

一般社団法人日本クレジット協会の発表によると、2024年のクレジットカード不正利用被害額は過去最多の555.0億円に達しました。オーソリを長期間保持できる仕組みは、盗用されたカード番号で不正な取引の「予約」を長く維持できてしまうリスクにもつながります。有効期限を短くすることは、こうした不正利用の温床を減らす目的にかなっています。

 

また、オーソリが確保されている間、顧客のカード利用可能額はその分だけ実質的にロックされます。与信枠に関する仕組みは「与信枠(オーソリ枠)とは? 仕組みと予約販売で重要になる理由」で詳しく解説していますが、このロックを長期間放置しないことも消費者保護の観点で重要視されています。

 

オーソリ有効期限の国際基準(EC標準10日・特定業種30日・日本の25日)

Visa Core Rulesは、取引の種類ごとに標準的なオーソリ有効期限を定めています。EC事業者が最も知っておくべきなのは、CNP取引(Card Not Present、ECサイト等の非対面取引)の標準期限が10暦日であるという点です。

 

取引種別 標準オーソリ期限
CNP取引(ECサイト等) 10暦日
対面取引(店舗POS) 5暦日
継続課金・分割払い 5暦日
宿泊・クルーズ・レンタカー 30暦日
Extended Authorization Service(EAS)利用時 最大30暦日(手数料0.08%)

 

宿泊・クルーズ・レンタカーのように、サービス提供までに日数を要し、最終的な金額が変動しうる取引には30暦日という長めの期限が用意されています。EC予約販売も「注文から提供まで日数がかかる」という性質は同じですが、Visa Core Rules上の独立した「予約系」カテゴリとして明文化されているわけではありません。そのため、期限を延長したい加盟店はEAS(手数料0.08%)を利用して最大30暦日まで延ばす、という形が実務上の対応になります。

 

日本の「25日ルール」は、この10暦日の標準に、EAS等を活用した延長措置を組み合わせて、日本のアクワイアラーが運用上の上限として設定した数値です。Visa本体が「日本は25日」と明記しているわけではなく、国際基準の枠内で日本市場向けに具体化された運用値だと理解しておくのが正確です。国際基準そのものが年々短期化する傾向にあり、25日ルールの詳細な経緯・背景は「オーソリ25日ルールとは? Visa・Mastercardの仮売上期限短縮でEC予約販売に何が起きるか」で解説しています。

 

Mastercardの相当ルールとの関係

MastercardもVisaと足並みを揃え、2026年7月からオーソリ有効期限を25日に短縮します。ブランド間でルールが分断されると加盟店の実装負荷が跳ね上がるため、両ブランドは類似のタイミング・水準で規約を改定する傾向にあります。

 

Mastercardはこれに先立ち、2025年6月に有効期限を定めない「Undefined Authorization」を禁止しました。従来は一部の加盟店が期限を明示しないオーソリを取得できていましたが、この抜け道が塞がれたことで、期限管理の重要性がさらに高まっています。

 

さらに、2025年7月からは過剰なオーソリ取得に対するTPE Fee(ペナルティ手数料)を段階的に引き上げています(0.25%→0.30%→0.35%)。期限切れオーソリを放置したまま新規オーソリを積み重ねるような運用は、この手数料の対象になり得るため注意が必要です。

 

2026年の改定内容とEC事業者への影響

2026年はVisa・Mastercard双方のルール改定が連続する年です。時系列で整理すると、7月のオーソリ25日短縮、8月の海外発行カード7日制限、9月30日のカード有効性確認目的の仮売上禁止という3段階の改定が予定されています。

 

時期 改定内容
2026年7月 オーソリ有効期限が60〜90日から最大25日間に短縮
2026年8月 海外発行カードの期限が最大7日間に制限
2026年9月30日 カード有効性確認目的の仮売上処理が禁止

 

これらの改定によって直接的な影響を受けるのは、注文から発送・提供まで25日以上かかるEC事業者です。予約販売、受注生産、入荷待ち(Back in Stock)などの販売形態を持つ事業者は、発送前にオーソリが自動キャンセルされるリスクに直面します。9月30日の仮売上禁止についての詳細は「2026年9月30日「カード有効性確認目的の仮売上」禁止とは ― 25日ルールの次に来る規制」で解説しています。

 

ルール違反のペナルティ(監視プログラム・罰金)

Visa Core Rules・Mastercardの規約に沿わない運用を続けると、手数料の上乗せや取引監視プログラムの対象になるリスクがあります。代表的なものが、Mastercardの過剰オーソリ手数料と、Visaの統合不正監視プログラムVAMPです。

代表的な監視・ペナルティの仕組み

  • Mastercard TPE Fee:過剰なオーソリ取得に対し取引額の0.25〜0.35%を段階的に課金(2025年7月〜)
  • Visa VAMP(Visa Acquirer Monitoring Program):2026年4月から過剰閾値が2.2%→1.5%、監視対象の下限件数が月1,000件→1,500件に厳格化。超過時は1件あたり8米ドルの違反金
  • Visa Misuse of Authorization Fee:カード有効性確認目的の仮売上禁止(2026年9月30日〜)に伴う手数料

VAMPの詳しい計算方法や閾値の変遷は「【2026年版】Visa・Mastercardルール変更一覧」で解説しています。期限切れオーソリの放置や、規約に沿わない再オーソリの繰り返しは、こうした監視プログラムの評価を悪化させる要因になり得ます。期限内に正しく再オーソリを行い、発送のタイミングでキャプチャに切り替える運用が、ペナルティを避けるうえでも基本になります。

 

予約販売や受注生産のように発送まで日数がかかる取引では、オーソリ失効前に新しいオーソリを取得し直す「再オーソリ」が唯一の実務的な対策です。再オーソリの仕組みは「再オーソリ(再与信)とは? 仕組み・決済代行API対応・特許技術まで徹底解説」で詳しく解説していますが、件数が増えるほど手動運用は破綻しやすく、Recustomerは自動再オーソリ処理に関する特許(第7721200号)を取得したうえで、期限管理から再オーソリの実行、発送検知による停止までを自動化する仕組みを提供しています。

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よくある質問

 

Q. Visa Core Rulesとは何ですか?

Visa Core Rulesとは、Visaが世界中の加盟店・アクワイアラーに適用する包括的な規約集(正式名称: Visa Core Rules and Visa Product and Service Rules)です。オーソリの有効期限、キャプチャのタイミング、返金、チャージバック手続きなど、カード決済の基本ルールを定めています。

 

Q. オーソリ有効期限の国際基準は何日ですか?

CNP取引(ECサイト等)の標準は10暦日です。対面取引・継続課金は5暦日、宿泊・クルーズ・レンタカーなど一部業種やEAS(Extended Authorization Service)利用時は、手数料(0.08%)を払うことで最大30暦日まで延長できます。

 

Q. 日本の25日ルールはVisa Core Rulesとどう違うのですか?

日本の「25日ルール」は、Visaが独立して定めた規定ではなく、CNP標準の10暦日にEAS等の延長措置を組み合わせて日本のアクワイアラーが設定した運用上限です。国際基準そのものが短期化しており、日本だけが例外を維持できる状況ではありません。

 

Q. MastercardにもVisaと同様のルールがありますか?

はい。Mastercardも2026年7月から25日に短縮します。また2025年6月に期限を定めない「Undefined Authorization」を禁止し、過剰なオーソリ取得へのTPE Feeを2025年7月から段階的に引き上げています(0.25%→0.30%→0.35%)。

 

Q. ルールに違反するとどんなペナルティがありますか?

Mastercardは過剰オーソリにTPE Fee(取引額の0.25〜0.35%)を課します。Visaの統合不正監視プログラムVAMPは2026年4月から閾値を2.2%→1.5%、監視対象の下限件数を月1,000件→1,500件へ厳格化し、超過時は1件あたり8米ドルの違反金が発生します。

 

Q. EC予約販売の事業者は何をすればいいですか?

注文から発送までのリードタイムが25日を超える商材があるか棚卸しし、超える場合はオーソリ失効前に再オーソリする仕組みを導入する必要があります。件数が多い場合は、特許取得済みの自動再オーソリソリューションの活用が現実的です。

 

まとめ

  • Visa Core Rulesは、オーソリ期限などカード決済の基本ルールを定めるVisaの包括的な国際規約
  • CNP(EC)取引の標準期限は10暦日。EASや一部業種では最大30暦日まで延長可能
  • 日本の25日ルールは、この国際基準を土台に日本のアクワイアラーが設定した運用値
  • Mastercardも2026年7月から25日に短縮。Undefined Authorizationは既に禁止済み
  • 違反時はMastercard TPE FeeやVisa VAMPによる手数料・違反金の対象になり得る
  • 対策の核心は期限内の再オーソリ。件数増には特許取得済みの自動化ソリューションが有効

 

出典・参考文献

  1. Visa「Visa Core Rules and Visa Product and Service Rules」(2026年7月25日発効)
  2. 一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2024年: 被害額555.0億円)
  3. Verisave「Mastercard's 2026 Excessive Authorization Rules」
  4. PAY.JP「海外発行カードで取得できるオーソリ期限を「最大7日まで」に制限いたします」(2026年3月)
  5. 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)「特許第7721200号」(Recustomer社・自動再オーソリ制御)

 

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