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  • Ryosuke Yamazumi

年末セールの返品申請は期間前比132.2%(2025年調査)、ブラックフライデー前に決める受付ルールと体制

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ブラックフライデーや年末のセール期間は、注文と同時に返品申請も増えます。Recustomerが2025年のブラックフライデー前後(11月9日〜12月8日)の導入ブランド20社のデータを集計したところ、返品申請数は期間前比で平均132.2%でした。 一部のブランドでは、返品申請の伸びが注文の伸びを上回っています。セール品を返品不可にしていても申請は届くため、受付のルールと体制は、セールが始まる前に決めておく必要があります。

 

この記事では、2025年のブラックフライデー期間のデータでセール期の返品申請の増え方を確認したうえで、セール前に決めておく返品・交換の受付ルール4つと、受付体制の準備を整理します。

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2025年のブラックフライデー期間のデータで見る、セール期の返品申請

Recustomerは2025年12月19日に、ブラックフライデー期間の売上・注文数・返品申請数の変化に関する調査結果を公表しました。対象は、Recustomer導入ブランドのうち、ブラックフライデー施策の実施が確認できた20社です。数値は、ブラックフライデー対象期間の前の同じ日数を100%とした比較値です。

 

項目 内容
集計期間 2025年11月9日〜12月8日(ブラックフライデー前後を含む)
調査対象 Recustomer導入ブランドのうち、ブラックフライデー施策の実施が確認できた20社
売上高(平均) 期間前比 178.8%
注文数(平均) 期間前比 160.5%
返品申請数(平均) 期間前比 132.2%
ブランド別の例 注文数333%に対し返品申請数512.5%、注文数707%に対し返品申請数720.0%

 

いずれも2025年のブラックフライデー(11月28日)前後のデータです。2026年のセールに向けて参照できる、Recustomerの最新の集計です。

 

平均で見ると、返品申請の伸び(132.2%)は注文の伸び(160.5%)より緩やかです。ただ、ブランド別に見ると、一部のアパレルブランドやアウトドアブランドでは、返品申請が注文を上回るペースで増えていました。

 

調査では、多くのブランドが「セール品は返品不可」としているにもかかわらず、返品申請数そのものが増えていたことも報告されています。返品を受け付けない申請であっても、メールや電話で届けば、担当者が1件ずつ返品できない理由を説明する必要があります。セール中から終了後にかけては出荷作業も重なるため、この「お断り対応」が現場の負担になります。

 

2026年のセール日程と、返品申請が届く時期

米国のブラックフライデーは、感謝祭の翌日の金曜日を指します。米国人事管理局(OPM)の祝日表では、2026年の感謝祭は11月26日(木)で、ブラックフライデーは11月27日(金)にあたります。国内の大手ECモールの2026年の開催日程は、この記事の執筆時点(2026年10月26日)では確認できていません。日程は各社の公式発表で確認してください。

 

返品申請は、商品が届いてから出されます。セール中の注文の返品申請は、出荷と配送の日数だけ遅れて届き、セールの終了後に重なります。年末のセールでは、この時期が年末年始の休業期間と重なりやすくなります。セール前の準備では、注文のピークだけでなく、返品申請が届く時期と休業期間の重なりも見込んでおきます。

 

セール前に決めておく返品・交換の受付ルール

 

1. セール品を返品できるかどうかと、その表示

セール品を返品不可にするか、条件付きで受け付けるかを決めます。通信販売では、事業者が広告に返品の特約を表示していない場合、購入者は商品を受け取った日から8日以内であれば、送料を負担して返品できます。特約を表示していれば、特約が優先されます(特定商取引法ガイド「通信販売」)。

 

セール品を返品不可にするなら、商品ページ・カート・返品の案内ページで、購入前に分かるように表示します。不良品や誤配送への対応は、返品特約とは別に扱います。表示の位置や書き方は、関連記事「返品特約の書き方」で整理しています。

 

表示していても、調査のとおり申請は届きます。返品不可の商品を申請の時点で選べないようにしておくと、お断りのメールを1件ずつ書く作業を減らせます。

 

2. 受付期限の数え方と、年末年始の扱い

受付期限を「発送日から」数えるか「到着日から」数えるかを決め、案内ページと申請の受付で同じ基準を使います。基準が揃っていないと、期限ぎりぎりの申請ごとに判断が分かれます。

 

年末年始に休業する場合は、次の3点を先に決めて案内します。

  • 休業期間中に届いた申請を受け付けるか、受け付けた申請の承認・返金はいつから始めるか
  • 休業期間を受付期限に含めるか
  • 返送された商品の受け取りと検品を、いつ再開するか

 

3. 返送料の負担

返送料を誰が負担するかを、返品理由ごとに決めます。たとえば、不良品や誤配送は店舗負担、サイズやイメージの違いは購入者負担とする分け方があります。セール品を条件付きで受け付ける場合は、通常品と同じ扱いにするかどうかも決めておきます。

 

4. 返金より先に、交換を案内するか

サイズ違いやカラー違いの返品は、交換を案内できれば売上が店舗に残ります。返金を選んだ購入者が同じ店舗で買い直す割合は高くありません。交換を受け付けるなら、交換用の在庫をどう確保するか、在庫がない場合に何を案内するかを決めておきます。

 

ルール セール前に決めること 案内する場所
セール品の返品可否 返品不可か、条件付きで受け付けるか 商品ページ・カート・返品の案内ページ
受付期限 発送日起算か到着日起算か、休業期間の扱い 返品の案内ページ・出荷完了メール
返送料 返品理由ごとの負担者 返品の案内ページ・申請画面
交換 交換を先に案内するか、在庫切れ時の扱い 申請画面

 

 

セール期の受付体制を整える

 

申請の窓口を1つにまとめる

返品・交換の申請が、問い合わせフォーム・メール・電話・モールのメッセージに分かれて届くと、件数が増えたときに対応漏れや二重対応が起きやすくなります。セール前に、返品・交換の申請を受ける窓口を1つに決め、注文確認メールや出荷完了メールのリンクもそこに揃えます。

 

判断をルールに置き換える

返品できるかどうかの判断を担当者が毎回行うと、件数に比例して作業が増え、担当者ごとに判断が分かれます。上で決めた4つのルールを、申請の受付時点で当てはめられる形にしておくと、承認・お断りの判断が揃い、担当者は例外の申請に時間を使えます。

 

CSと倉庫の引き継ぎを決める

返送された商品の受け取り、検品、返金・交換品の出荷は、CSと倉庫をまたぐ作業です。セール期は出荷作業と重なるため、次の点を事前に共有しておきます。

  • 返送品を受け取ったことを、誰がどこに記録するか
  • 検品の結果を受けて、誰が返金・交換の処理を行うか
  • 年末年始の休業前に、どこまで処理を終えるか

 

見ておく数字を決める

セール中とセール後は、次の数字を週ごとに見ます。前年の同じ時期や、セール前の数字と比べると、人員や対応の優先順位を調整しやすくなります。

 

数字 見る理由
返品・交換の申請件数 処理量の見込みと人員配置の調整
受け付けなかった申請の件数 表示や案内が伝わっているかの確認
交換の件数と割合 売上として残った分の把握
返金・交換が済んでいない件数 処理の滞留と、購入者からの催促の予防

 

Recustomerで仕組み化できる範囲

Recustomerの返品・交換では、購入者が専用の申請ページから返品・交換を申し込みます。上で決めたルールは、返品ポリシーとして設定できます。

 

  • 発送からの経過日数で、申請を受け付けるかどうかを判断する
  • セール品など、特定の商品タグ・コレクションの商品を返品不可にする
  • 返品理由ごとに、返送料の負担者を分ける
  • 返金ではなく交換のみ受け付ける商品を指定する

 

交換の申請では、カートシステムやOMSの在庫を参照し、在庫切れの商品は選べないようにします。在庫がある場合は、申請の受付と同時に0円の交換伝票を作成して在庫を確保します。返送は佐川急便・ヤマト運輸の集荷と連携でき、申請の一覧ではステータス(承認待ち・受入待ち・未返金・未交換)ごとに対応が必要な申請を確認できます。

 

Shopifyで運営しているストアでは、返金の代わりに、上乗せ率を設定できるストアクレジットで受け取る方法を購入者が選べるようにすることもできます。また、購入時に返品送料無料のオプションを付けられるCheckout+では、セール品などを特典の対象外に指定できます。

 

導入事例:ハニーズはセール期間を人員を増やさずに乗り切った

アパレルブランドのハニーズは、Recustomerで返品・交換の申請を専用ページで受け付け、設定したルールで申請を自動で承認・拒否する運用に切り替えました。それまでは担当者がメールの内容を読み、返品ポリシーに照らして可否を判断していました。

 

衣替えで繁忙期となる2025年10月は、問い合わせ全体が前年の約4,000件から約3,200件に、返品・交換に関する問い合わせは約2,900件から約1,190件に減りました。導入後にCSのスタッフ2名が産休に入りましたが、10月のセール期間も人員を増やさずに対応できたといいます。

 

「Recustomerの導入後にスタッフ2名が産休に入ったのですが、10月のセール期間中も、人員を増やさず対応することができました。Recustomerがなければ回らなかったので、導入して本当によかったです」(ハニーズ カスタマーサポートセンター 池田香織氏)

申請の受付状況が管理画面で見えるため、これから届く返品・交換の作業量を見通して、スタッフの配置を前もって決められるようになったとも話しています。ブラックフライデーとは時期が違いますが、セールの後に申請がまとまって届く点は同じです。

 

ハニーズの導入事例を読む →

 

よくある質問

 

Q. セール品を返品不可にしても問題ありませんか。

通信販売では、返品の特約を広告に表示していれば、特約が優先されます。表示していない場合は、商品を受け取った日から8日以内であれば、購入者が送料を負担して返品できます。セール品を返品不可にする場合は、購入前に分かる場所に表示してください。不良品や誤配送は、返品特約とは別に対応が必要です。

 

Q. 132.2%はいつのデータですか。

2025年のブラックフライデー前後(2025年11月9日〜12月8日)のデータです。Recustomer導入ブランドのうち、ブラックフライデー施策の実施が確認できた20社を対象に、期間前の同じ日数と比べた数値です。

 

Q. 年末年始の休業中に届いた返品申請は、どう扱えばよいですか。

申請を受け付けるか、受け付けた申請の承認・返金をいつ再開するか、休業期間を受付期限に含めるかを、休業前に決めて案内ページに書いておきます。購入者が休業中に申請できる場合も、返金や交換品の発送がいつになるかを示しておくと、催促の問い合わせを減らせます。

 

Q. 返品申請の件数が増えたとき、最初に見直すべきところはどこですか。

申請の窓口が分かれていないか、返品できるかどうかの判断が担当者ごとに分かれていないかを確認します。窓口を1つにまとめ、受付期限・セール品の扱い・返送料の負担をルールとして申請時に当てはめられるようにすると、件数が増えても判断と作業が揃います。

 

まとめ

Recustomerが集計した2025年のデータでは、ブラックフライデー期間の返品申請数は期間前比で平均132.2%となり、一部のブランドでは注文の伸びを上回りました。セール品を返品不可にしていても申請は届きます。

 

2026年のセールに向けては、セール品の返品可否と表示、受付期限と年末年始の扱い、返送料の負担、交換の案内の4つを先に決めます。そのうえで、申請の窓口を1つにまとめ、判断をルールに置き換え、CSと倉庫の引き継ぎと見ておく数字を決めておくと、件数が増えても対応を揃えられます。

 

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出典・参考文献

  1. Recustomer株式会社「ブラックフライデーの注文数は期間前比160%に伸長。一方で返品申請数も132%に増加──Recustomer調べ」(2025年12月19日) https://recustomer.co/news/black-friday-returns-survey
  2. 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
  3. U.S. Office of Personnel Management「Federal Holidays」 https://www.opm.gov/policy-data-oversight/pay-leave/federal-holidays/

 

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